たつのの有名人&達人

インタビュー兵庫県の井戸敏三 知事(第3回)

<伝統産業と観光について>

司会;たつの市の地場産業や伝統産業等についてはどうでしょうか?

知事;たつのというと、醤油と素麺と皮革ですよね。醤油や素麺はそれなりに全国的にもブランド力を持っていますが、これからは革製品の知名度を上げないといけませんね。最近力を蓄えつつあると思うのは、毎年秋には皮革フェアを県と市が合同でやっていますが、だんだん規模が大きくなってきました。原材料の工夫や良い製品がどんどん出てきていますから、これから楽しみです。

ファッションショー龍野実業高校ファッションショー

司会;龍野実業高校のデザイン科もファッションショー等で参加しておられますね。

知事;そうです。相生産業高校も参加していましたね。こういう広がりを持っているのが良いですね。地場産業は、地域が持っている歴史や文化が育ててきたものだと思いますし、大切にしていかなくてはならないと思います。最近の県民だより(PDFファイル)にそういうことを書かせて頂いています。領事館サミットというのを開いていますが、今回、地場産業と地域ブランドというテーマでお話をさせて頂いたことを掲載させて頂きました。

司会;たつのは観光でもそれなりに名前が通っていると思いますが、観光産業についてはどう思われますか?

さくら祭さくら祭

知事;この古い下川原等の地域(揖保川の西の龍野地区)の古い町並み・雰囲気は絶対壊したくないですね。この辺で春と秋に大きなイベントがありましたね。

司会;春はさくら祭(武者行列等)、秋はオータムフェスティバルです。

知事;私もオータムフェスティバルに参加させて頂きました。あのようにゆっくりと街を訪ねて散策したり、そぞろ歩きをしたりして、いわゆるタイムスリップしたような雰囲気を味わえるのは“小京都・龍野”の良さではないかと思います。

司会;町並みは昔のままですが、実際には住んでおられない家もわりとあります。もったいないと思います。

知事;もし住んでおられない家があるなら、市とか地域がお借りして、1階部分に土日だけ開けるちょっとした展示・学習・喫茶のコーナーとして活用し、そぞろ歩きで疲れた人がちょっと寄りたいとか座りたいとか休みたいとか、それが出来る場所を作っていくと、また違ったことになるでしょう。

司会;今までも観光客の方々から、休憩や食事が出来る場所が少ないという意見があります。

知事;まず地域の方々と家を持たれている方々と、うまい具合に連携が出来たら良いのですがねぇ。個々人だとなかなか難しいですから、観光協会や市の観光課、或いは町内会(自治会)とかが間に入ったら出来るのではないかと思います。

武家屋敷武家屋敷

司会;特に、武家屋敷とかの風情がある場所で素麺を食べたいというご要望も聞きました。

知事;“そうめんの里”にブランチ(支店)を出してもらったら良いのではないですか?
冷たいつけ麺で食べる素麺だけでなく、私は温かい“にゅうめん”の方が好きです。

司会;イタリアンもありますよ。

知事;そういうものも地域の方の工夫でどんどん増やしていったらお客さんも喜ばれると思います。桂三枝さんではないですが、“大阪の人、いらっしゃーい”ですね。(笑)
また、今は団塊の世代が大量に定年退職して再びふるさとに戻るUターンの人が増えます。そういう人たちに新しい風を吹き起こして頂きたいと思います。

司会;私も実は2年前にUターンで戻ってきました。その年のオータムフェスティバルを見て、たつのには良い面が沢山あることを再認識し、たつのの良さをもっとPRすべきと考え、ボランティア組織を作ってタイムリーな情報を提供するホームページ(このサイト)を立ち上げました。

三木露風三木露風

知事;私が小さい頃に見た映画では、忠臣蔵で市川歌右衛門がふんする龍野藩主脇坂淡路守が、藩士の籠城する赤穂城を受取りに行く緊張感のある場面がありました。子供心に鮮明に記憶し、今でもそのことを覚えています。
そういうことや赤とんぼの三木露風等で当時は放っといても有名でした。今は、“たつのウェア(どこ?)”とか“たつのファット(なにか?)”ということで、自分から積極的に発信(PR)していかないといけないと思います。

司会;他の市も積極的にやっていますから、タイムリーな情報を発信し続けないと埋没してしまいかねないですよね。

知事;それから、これから人口減少社会が来ますが、あまり恐れることはないと思っています。いわゆる定住人口が減るだけなんです。人々が交流する“交流人口”を増やしていけば、地域全体としてもっと元気になると思います。住んでいる人だけの街づくりを考えるのか、いろんな方々がやってきて“楽しむ、学ぶ、経験する”そういう街として考えるか。それによって街の性格がずいぶん変わってきます。
そして、他の地域から訪ねて来てもらおうとすると、“個性”がないといけない。個性とか特色とかを、私は“らしさ”と言っています。“たつのらしさ”を追求して頂くと、それは“輝き”になり、輝けば人が寄ってくる、逆に言うと、輝いていないところへは人は寄りません。やはりオーラを発しないといけないですよ。オーラを発していたら(人を)引き付けますよ。そういう地域づくりをぜひ頑張って頂きたいと思います。

井戸知事

司会;我々もそうなるよう微力ながらボランティア活動で頑張っていきたいと思っています。どうかご支援をお願い致します。

知事;ボランティアというのは、まず、そのことが“好き”でないといけない。“好き”の原因が何かというと、きっとこの町が好きだとか、この地域の人が好きだとか、或いは自分自身が充実感が持てるとか、いろんな“好きさ”があると思いますが、その“好きさ”を追求していくことが“らしさ”に通じるのではないかと思います。

司会;我々、たつの文化活動促進運営委員会(TCC)が赤とんぼ文化ホールさんと共同で2ヵ月に1回定期的に開催しています“サタデーロビーコンサート”にもぜひ足をお運び下さい。今日は、お忙しい中お時間を頂き、本当にありがとうございました。

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制作:たつの文化活動促進運営委員会(TCC)|メールアドレス:jouhou@tatsuno.info