童謡の里 龍野 碑巡り

13「中井 顕」の歌碑

みたらしにあふれる水の勇ましくのぼるや神の力なるらむ

■所在/龍野公園宿禰塚に登る道
■建碑/明治40年4月

中井顕は、新宮町平野の人で、明治26年揖保郡役所首席書記から迎えられて龍野町長となり、41年4月まで約16年間町長の座にあった。在職中野見宿禰の塚の改修拡張を図ったとき、宿禰は相撲の開祖として祀られた人物であるから、「力水」にちなんで詠んだ歌といわれている。
歌集に「萩の家」がある。明治42年、82歳で没した。

14「渡辺 完」の彰徳碑と歌碑

古里の 揖保の碩の水清し夢の如くに月見草咲く

■所在/龍野神社社務所前高台
■建碑/昭和44年11月3日

渡辺完は、明治21年藩儒近藤家に生まれ、渡辺家の養嗣子になった。明治43年京都府立医専を卒業、日赤大阪支部病院外科、順天堂病院レントゲン科に勤務した。大正11年から2年間ドイツに留学し、帰朝して大正13年大阪電気局病院に勤務、14年医学博士になった。24年院長になったが、この間、昭和8年国際放射線学会に日本代表として出席するなど、レントゲン研究に没頭した。昭和30年、68歳で大阪に没した。完は、文藻に富み、俳号を孫拙といった。

たつの市の文化紹介『たつのへようきたったなぁ』
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