TCCとは?
『鍋島直昶&その仲間たちによる昼下がりのJazz Live』の模様
11/12(日)、たつの市の赤とんぼ文化ホール主催(TCC協力)で『鍋島直昶&その仲間たちによる昼下がりのJazz Live』が開催されました。その模様をお伝えします。文字では素晴らしさの万分の一も表せませんが、その一端でも感じ取って頂けたら幸いです。
<心配していた客足でしたが・・・>
前日の夜風が吹いて急に気温が下がり、ちょっとお客さんの出足が気になったのですが、開演前にはほぼ満員になってきました。最終的には300人ぐらいになったようです。
龍野はジャズの生演奏を聴く機会があまり無いので、ジャズファンがどれだけおられるか分からない中で大変不安でした。一流のミュージシャンのジャズライブを安い値段で楽しんで頂こうというのが我々の目的でしたので、お客さんが少ないのはもったいないですから、出来たらより多くの人に楽しんで頂けたらと思っていました。これだけ多くの人に来て頂き、TCCが企画した初めての有料イベントとしては大変良かったと思います。
<やはり童謡からスタート>
大西由香里さん
鍋島直昶氏 廣見優氏
龍野は童謡「赤とんぼ」の作詩者[三木露風]の生誕地であることから“童謡の里”として全国に知られています。やはり1stステージは童謡から始まりました。まず地元の童謡ボーカリストの大西由香里さんが登場。1曲目は、いつものように澄んだ声で「紅葉」を唄われました。バックのビブラフォンやピアノがソフトに包み込みます。これが童謡?これがジャズ?どちらも正解!素晴らしいコラボレーションでした。さらに「ふるさと」、「七つの子」、「赤とんぼ」を熱唱。特に、以前ビブラフォンの鍋島直昶氏(日本の有名ジャズプレーヤーでは多分最長老の80歳でいらっしゃいます。元関西ジャズ協会副会長)にこの企画をご相談した際、“童謡をジャズ風にアレンジしたら大変良くなるよ。”と言われた通り、素晴らしい演奏を聴かせて頂きました。また、ドラムの廣見優氏はNHKの[あなたのメロディ]にレギュラー出演されていただけあって、童謡の雰囲気に合ったドラミングは“さすがだなぁ”と思いました。「紅葉」と「赤とんぼ」には地元のアマチュアミュージシャンがフルートで参加しました。
<そしてジャズへバトンタッチ>
橋本真悠子さん
鎌田恵さん
童謡の後はジャズのインスト(ボーカルなしで楽器だけの演奏の意味)です。「酒とバラの日々」では鍋島直昶氏のビブラフォンやピアノの鎌田恵さんの演奏が印象的でした。そしてボーカルの橋本真悠子(まゆこ)さんが登場し、初めに「スターダスト」を情緒たっぷりに、次はアップテンポの「ルート66」等スタンダードナンバーを歌い上げました。さらにはディズニーでおなじみの「星に願いを」ではファンタジーの世界に、そして「テネシーワルツ」をしっとりと聴かせた後、最後は「A列車でいこう」でハッピーな気分で1部が終了しました。
<2ndステージはラテン一色に>
中村尚美さん
アマチュアミュージシャン
クツノ・ユキヒデ氏
後半の2ndステージは、ラテンジャズです。このステージからはパーカッションのクツノ・ユキヒデ氏が加わりかなり派手になりました。
ボーカルは1stの続きで橋本さんが登場し、ラテンのリズムで「フライミートゥザムーン」、「ソーインラブ」を唄われました。その後、イスンストで「ユアーズ」を演奏。そして次は、前述のアマチュアミュージシャンが加わり「サボール」というアップテンポの曲を聴かせてくれました。特にベースの中村尚美さんの弓(弦)によるベースソロは、大変聴き応えがありました。
赤穂美紀さん
最後は、いよいよラテンのトップボーカリスト赤穂美紀さんの登場です。「キサス・キサス・キサス」、「アマポーラ」とヒット曲を歌い、徐々に観客は赤穂さんの世界に引き込まれていきます。「パパ・ラブズ・マンボ」で、“うーっ”と掛け声を掛けるところでは会場のお客さんと一体になっていました。多分彼女の気さくなMC(ステージでのスピーチ)がお客さんに受け入れられたのだと思います。
次の「南国土佐を後にして」は、スローな雰囲気から一転アップテンポに、そしてまたスローに戻るというかなり凝った編曲になっていました。歌詞も日本語からスペイン語に変わったりして、終わった後お客さんから特に大きな拍手がありました。ラストは「エル・クン・パン・チェロ」。当然お客さんもノリノリで、自然に手拍子で拍子をとり大変盛り上がりました。
<エンディングはやはり童謡>
その後感謝の気持をこめて、花束がリーダーの鍋島直昶氏に地元の女子高校生の手で渡されました。氏がそれに応えて、“最後に旅愁と赤とんぼをやりましょう!”と言われた時、会場からも大きな拍手が起こりました。そしてこの2曲を観客の皆さんと合唱し、無事このライブを終了することが出来ました。
<お客さんの反応は?>
ライブ終了後、出口ではお客さんの満足げな表情がたくさん見られました。また表情だけでなく、多くの方から“今日のライブは大変良かったよ!”と言って頂くことが出来ました。さらに帰宅後お礼の電話をかけた際も色んなお言葉を頂きました。
一例をあげますと、
- ジャズはあまり興味が無かったけれど、ナマで聴いて大変身近な感じがした。
- ラテンが大変良かった。ライブこんなに良いものとは思わなかった。
- 「テネシーワルツ」は絶品だった。涙が出た。
- 童謡がジャズのバックでとてもおしゃれな感じがした。
- 「南国土佐を後にして」が素晴らしかった。
- こんなに安い値段で3種類のジャンルがたっぷり聴けて、知ってる曲も多くて最高だった。
他にも異口同音に“素晴らしかった”というような声をたくさん頂き、大変やりがいがあったと、ホッとしました。
<最後に>
このように大変良いイメージでこのライブを終えることが出来まして、我々TCCスタッフ一同、厚く御礼申し上げます。
なお、この企画はTCCが赤とんぼ文化ホールにご提案したのでありますが、赤とんぼ文化ホールも中ホール向きの自主公演イベントとして、今までに実施しなかったジャンルとしてジャズイベントなどを検討されていたことや、市民が赤とんぼ文化ホールを活用して、企画から観客動員も協力する新しい自主公演システムを模索されていたことなどが偶然にも重なり、試行的にやってみようということで、赤とんぼ文化ホールの絶大なご協力によって、実現したものであります。TCCスタッフは事前段階の企画、チラシ配布、チケット販売、そして当日の各種準備等、初めての経験でしたが、何とか無事にやり遂げることが出来ました。これは、ひとえに赤とんぼ文化ホールをはじめ、神戸新聞社や関係者の方々のご協力・ご支援の賜と、厚く御礼申し上げます。
今後もたつの市の文化活動を促進し活性化を図る為に努力致しますので、ご指導、ご支援のほどお願い申し上げます。